当院では、クロザリルによる治療を行っています。クロザリルは、治療抵抗性統合失調症に対して、効果があることが認められている唯一の薬剤です。海外では米国、英国をはじめ100ヶ国以上で承認され効果を上げている薬剤です。国内の臨床試験でも治療抵抗性統合失調症患者の50％以上に改善が認められています。

複数の抗精神病薬を十分な量、十分な期間用いても症状が消退しない、あるいは副作用のために服薬継続が難しく、十分に改善しない統合失調症を治療抵抗性統合失調症といいます。統合失調症患者のうち約30％に認められるといわれています。

クロザリルは治療抵抗性統合失調症に対する有効性は高いのですが、無顆粒球症や高血糖といった重篤な副作用を起こしやすいという現状もあります。そのためクロザリルによる治療を受けるには、入院が必要であったり、定期的な血液検査を受けなければならなかったりと、さまざまな義務づけがなされています。
クロザリルは、十分な知識を習得し、審査を通過した医師（CPMS登録医）だけが処方できます。また、クロザリルを管理する薬剤師やコーディネート業務担当者など患者様を支える体制が整っている医療機関でのみ治療可能な薬剤です。

当院では、クロザリルを用いた治療を検討されている方を対象に、外来診療にて薬剤の適応を判断させて頂いております。導入は入院治療が必要となりますので、併せて入院についてのご相談も承ります。受診をご希望の方はかかりつけ医療機関の先生とご相談の上、当院のサポートセンターまでご連絡ください。